あなたの会社、守りませんか?~就業規則作成のススメその4~

みなさま、こんにちは!社労士の林です。

ちょっと更新がおろそかになってしまいました・・・申し訳ございません。

いきなり余談(笑)ですが、皆様はインフルエンザの予防接種はされましたか?

今年はワクチンが不足しており、病院によってはなかなか入ってこない所もあるようです。

私もいくつかの病院に電話をかけ、やっと予防接種を受けることができました。

これでインフルエンザ対策は万全!だといいんですけどね~

 

さて、前回は小規模企業様における就業規則作成のメリットについてお伝えしました。

今回はデメリットについての説明が中心となりますが、真に会社を守るための(私が考える)ヒントについてもお話していきます。

まず、デメリットについておさらいしましょう。

a)そんなもの作ると、有給休暇等の休暇もルール上明示することになり、権利ばかり主張する人が増え、事業が廻らなくなる危険があるんじゃないの?ただでさえ人不足なのに・・・。

b)ただでさえ採用難なのに、「ルールが厳しそう」と敬遠する求職者が多くなるんじゃないの?

c)就業規則なんて、いざとなったらネットでダウンロードすればいいんじゃないの?タダだし・・・。

以上3点です。他にもあるでしょうが、今回はこれに絞って考察していきます。

まずa)ですが、今はインターネットが普及し、労働法について簡単に調べられる時代です。その気になれば、何でも調べられるんです。なんせ大学生が、卒論をネットからコピペする時代ですから・・・(コピペを判別するソフトもあるそうです・・・何という世の中)

これからは、むしろ有給休暇や残業代、解雇など、労働紛争の代表格とも呼べるものに関しては「知っているもの」として対応していく意識が必要です。近年、一般の方の労働法に関する知識は飛躍的に向上していますから、隠していても時間の問題です。結局は会社に対する不信感が生まれ、労使関係悪化の元となってしまいます。

とはいえ、繁忙期の取得や直前の有給申請など、企業活動に支障をきたす場合もあります。ここは労使でコミュニケーションを取りながら、時季変更権や計画的付与をうまく活用していきたいところです。

 

b)についてですが、これも意識を180°変える必要があるでしょう。

小さくともしっかりした会社、従業員を大切にしてくれる会社を選ぶ傾向がこれからますます強まります。ルールが明示されている会社であれば、仮に問題を起こす従業員がいても適切な対応が可能となり、長く安心して働ける環境を整備することができます。小規模企業様の人手不足については私自身理解しているつもりですが、だからと言って「来てくれれば誰でもいい」的な採用ですと、後々労務トラブルの火種を抱えることにもなりかねません。

 

c)は、実は一番危険なことで、「ちょっと待った!」と声高に叫びたいくらいです。

就業規則は会社と従業員との約束事です。そして約束は守らなければなりません。

ネットでダウンロードできるものの多くは中規模企業~大企業向けです。

各種手当、特別休暇、退職金、昇給・・・御社にはない、過剰な福利厚生や待遇が約束されていませんか?

もし、書いてあれば、それは約束であり、履行しなければならないことになってしまいます!

出来ない約束はしない。これは、就業規則作成の大事なポイントの一つです。

 

そんなわけで、就業規則はそれぞれの企業様の実情に合わせて、無理なく運用できるものを作成していく必要があるわけです。

 

さて、今までのことを踏まえた上で、真に会社を守るためにはどうすればいいか考察するわけですが・・・

就業規則の必要性を小規模企業様にお伝えすると、大概こう言われてしまいます。

 

「だって先生、大手だって労働法守ってないじゃないですか?ブラック企業たくさんあるわけでしょ?大手が出来てないことを、何で我々がやる必要あるんですか?」

 

と~っても悲しい気持ちになってしまうわけですが、おっしゃることも、よく分かります。

しかしながら、実は、真に会社を守るための大いなるヒントが、ここに隠されています。

 

なぜ、大手がやっていないから、中小もやらないということになるのでしょうか?

大手がやっていないから、やるんです!

 

今日はここまで!

次回は就業規則作成のススメ、最終回です。乞うご期待!