あなたの会社、守りませんか?~就業規則作成のススメその3~
みなさま、こんにちは!社労士の林です。
段々と冬の足音が近づいてきましたね。
一雨ごとに、気温が下がってくるのを感じます。
皆様ご自愛ください。
早速ですが、前回は小規模企業様の就業規則作成についてメリット・デメリットをお伝えしました。
今回はその中のメリットについて、具体的に説明していきたいと思います。デメリットについても説明したかったのですが、思ったより書きたいことが増えてしまい・・・。デメリットは次回ということでご容赦ください。
さて皆様、まずはメリット、覚えてますか・・・?反応がありませんね(笑)
では復習です!
<メリット>
①少人数のうちにルールを明示することで、浸透が早まり定着しやすくなる。
②少人数のため、導入する際コンセンサスが得られやすい。
③小規模のうちに試行錯誤ができる(10人未満の事業所は届出不要)ため、実情に沿ったより良いものができる。
④従業員が安心して働くためのベースになり、定着率向上につながる。
⑤届出が必要となったときも、間に合わせの就業規則を作成することなく、完成したものをスムーズに提出できる。
⑥懲戒や解雇のルールを明示することで、問題社員対応の後ろ盾が出来、スピード感をもって対処できる
以上5点です。
①は特にご説明はいらないでしょう。人数が少なければマンツーマンに近い形で内容を伝えることができ、その分理解と浸透も早まります。早い段階でしっかり理解している社員がいれば、それが自然と会社のルールとなり、後から入社してくる社員も自然とそれに倣うようになっていくと思います。
②は①の流れで言えることですが、少人数であれば社員に就業規則の意義や目的について一人一人にしっかりと説明することができ、社員も納得感を持って受け入れることができます。これが大人数となるとなかなか大変です。
なお、就業規則の届出(10人以上の場合)では特に社員のコンセンサスを得る必要はない(意見書に反対意見があってもOK)ですが、せっかく作成した就業規則を活かすという意味で、コンセンサスを得ることは非常に大切である、と私は考えています。
③は10人未満で届出しなくて良い分、社内で試行錯誤しながら熟成できる、ということです。これが10人以上となると変更ごとに届出をしなくてはいけなくなり、ハードルが上がります。10人未満であれば、修正後社員に周知し、改訂後の規則を社員がいつでも確認できる場所に置いておけばOK。
④については次回のデメリットで少し掘り下げてみたいので、ここでは割愛いたします。ただ、ここは大事です。
⑤は説明不要でしょう。
⑥が社長様が一番重視したいメリットかもしれません。私も当初はこれを1番のメリットにあげようと思っておりました。
しかし、筆を進めているうちに、これはちょっと違うな、と。
なのであえて最後にしました。
もちろん、言葉通りに「会社を守る」という点では⑥に勝るメリットはないでしょう。実際、私も服務規律や懲戒規定の重要性については、折に触れて多くの社長様にお話させていただいております。
しかし、本当に会社を「守る」ためには、盾ばかり厚くしたり固くしても限界があります。やはり、中で働いている社員の固い結束力に勝るものは何一つありません。どんなに体を鍛えているスポーツ選手でも、精神が弱いと話にならないことと一緒ですね。
そんなわけで、次回はデメリットについて説明しつつ、真に会社を「守る」ためにはどうすればよいのか、ということを考察していきたいと思います。
では今回はここまで!
お読みいただきありがとうございました。