無期転換ルールについて

皆様、こんにちは!社労士の林です。

少しばかりサイトを変更しました。「情報集」を「耳寄り情報集」に変えただけ・・・

これから少しずつですが、知っておくと役に立つ情報を掲載していきたいと思います。

こうして自分にプレッシャーをかけるのです(笑)

 

さて今回は、昨今話題?の無期転換ルールについてご説明したいと思います。

というのも、やっぱり、皆様あまりご存知ないという印象がありまして。

顧問先でご説明すると(私の顧問先は全て小規模企業様です)、

「初めて聞いた・・・それ、一体どういうこと?」

と聞き返されることがほとんどなんですね。

というわけで、早速かいつまんでご説明いたします。

無期転換ルールは正式には「無期転換申込制度」というもので、契約社員の方やパート・アルバイトの方のような「有期労働契約」を結んでいる方が対象となります。

平成25年4月1日以降に締結(又は更新)した有期労働契約期間が、通算して5年を超えたときに、「無期転換申込権」という権利が労働者に発生します。

例えば1年契約の場合、5回目の更新を行い、6回目(6年目)の契約に入った期間内に権利を行使すると、次の契約から無期に転換します。

「申込の権利」ですので、行使しなければ無期には転換しません。又、契約が続く限り、申込の権利は繰り越され、いつでも権利行使できます。加えて、事業主は原則として申込の拒否はできません。

起算日が平成25年4月1日以降ですので、ちょうど今年の平成30年4月1日以降に最初の対象者が発生します。なので最近話題?になっているわけです。

では一体、今までと何が変わるのでしょうか?

無期転換後の労働条件は、就業規則等に「別段の定め」がある場合を除き、契約期間が有期から「無期」に代わるだけで、あとは変わりません。

ですが、事業主側からすると、「契約満了による雇止め」はできなくなります。

又、働く時間が同じでも、正社員と比較して賃金に差異があるケースがあるかと思いますが、その差異に関する合理的な説明がつくようにする必要性が生じます。

具体的には、①業務内容の差異②責任・権限の範囲③人材活用の仕組み・配置変更の範囲を考慮し、差異に関する合理的説明ができる必要性があります。

なお、この制度には「クーリング制度」が設けられており、6ヵ月間のクーリング期間が挟まれば、通算契約期間をリセットできます。なかなか運用しにくい制度ですが・・・。

 

では、以上を踏まえてどう対応するか?

まずは、就業規則が「期間の定めのない者」や「全社員」に適用されるパターンの場合は要注意です。賞与や退職金などが適用されてしまうケースがあります。

可能であれば「正社員」「契約社員」「無期転換者」など、雇用形態別に就業規則を作るのが理想ですが、少なくとも適用範囲は明確に定めておく必要があります。

その上で、先にご説明した合理的理由の①~③を考慮しながら、正社員と無期転換社員との処遇について、制度設計をする必要があります。

又、定年後引き続き雇用されている高齢者については、ある一定の手続き(第二種計画認定申請)をすれば無期転換権が発生しません。

個人的には、現在人材確保が大変難しくなっていますので、既存の社員の方に長く働いていただくという意味でも、思い切って正社員転換を図った方がいいように感じます。

キャリアアップ助成金の正社員化コースを活用し、やる気のあるパートタイマーさんやアルバイトさんの正社員化を検討するのも一つの手です。

ただ、予定では4月から①正規雇用等へ転換した際、転換前の6ヵ月と転換後の6ヵ月の賃金を比較して5%以上増額していること②有期契約労働者からの転換の場合、対象労働者が転換前に事業主で雇用されていた期間が3年以下に限ること、の2つが追加要件として加わることになるので、受給に際して少しハードルが上がっています。

いずれにしても、もし会社で無期転換ルールに該当する方がいらっしゃる場合、無期転換前までに就業規則等を整備しておくことをオススメいたします。

就業規則に不安がある事業主様、お気軽にご相談ください!

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